住まいの安全性を見直す“耐震診断”
耐震診断とは、住宅の構造を調査し、地震が起きた際の安全性を評価するプロセスです。特に木造住宅では、「木造住宅の耐震診断と補強方法」(財団法人日本建築防災協会)に基づいた診断方法が一般的です。この方法は、「簡易診断」、「一般診断」、「精密診断」の3段階に分かれており、それぞれの詳細な手順により安全性を確認します。
上部構造評点が1.0以上であることが耐震性を確保する目安となります。評点が1.0未満の場合は補強工事が必要とされますが、住まいの性能をさらに向上させるために1.5以上を目指すことも推奨されています。
快適な暮らしを支える耐震性能

耐震等級と上部構造評点の対応
耐震等級と建物の耐震性を示した表です。耐震補強が必要か、または耐震性が確保されているかを判定します。
- 耐震等級イメージ
-
- 耐震等級なし
- 耐震等級1
- 耐震等級2
- 耐震等級3
- 上部構造評点
-
- 0.7未満(耐震等級なし)
- 0.7以上1.0未満(耐震等級なし)
- 1.0以上1.5未満(耐震等級1)
- 1.5以上(耐震等級2および3)
- 判定
-
- 0.7未満:倒壊する可能性が高い
- 0.7以上1.0未満:倒壊する可能性がある
- 1.0以上1.5未満:一応倒壊しない
- 1.5以上:倒壊しない
※耐震診断の結果は、建物の安全性を完全に保証するものではありません。
※既存木造住宅の上部構造評点は、耐震等級の基準に基づきます。
※地震保険の割引制度に関しては、各保険会社へ直接お問い合わせください。
強化された構造で安心をプラス

耐震等級と上部構造評点の対応
耐震等級と建物の耐震性を示した表です。耐震補強が必要か、または耐震性が確保されているかを判定します。
- 耐震等級イメージ
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- 耐震等級なし
- 耐震等級1
- 耐震等級2
- 耐震等級3
- 上部構造評点
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- 0.7未満(耐震等級なし)
- 0.7以上1.0未満(耐震等級なし)
- 1.0以上1.5未満(耐震等級1)
- 1.5以上(耐震等級2および3)
- 判定
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- 0.7未満:倒壊する可能性が高い
- 0.7以上1.0未満:倒壊する可能性がある
- 1.0以上1.5未満:一応倒壊しない
- 1.5以上:倒壊しない
耐震性能を向上させるリノベーションでは、耐震基準を超える1.5以上の評点を目指すことが一般的です。また、最新の技術により、住宅の現状を非破壊で診断することが可能になり、適切な補強計画に役立てられます。

地震後も住み続けられる住まいづくり
2000年以降の建築基準は、地震による倒壊を防ぐことを目的として改良されていますが、その基準を超える性能を持つ住まいは、さらなる安心感を提供します。
熊本地震では、耐震等級3の住宅が軽微な被害に留まることが確認されました。こうした結果から、将来の安心を考えた性能向上が重要であることがわかります。
法規制の進化と住宅の性能向上
大規模地震を経て、建築基準は繰り返し見直されています。近年では、連続する地震による損傷を軽減する方法がより具体化され、実用化されています。

地震の発生と耐震基準の変遷
地震の発生に伴い、耐震基準がどのように進化してきたかを示しています。
- 1981年
- 「新耐震基準」が施行され、木造住宅の必要壁量を強化。
- 1995年
- 阪神・淡路大震災(震度7)が発生。新耐震基準でも大きな被害が発生。
- 2000年
- 「2000年基準」が施行。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、接合部仕様や耐力壁のバランス検証が具体化。
- 2004年
- 新潟県中越地震(震度7)が発生。
- 2011年
- 東日本大震災(震度7)が発生。本震と津波、繰り返し余震による被害が問題に。
- 2016年
- 熊本地震(震度7)が発生。「2000年基準」の住宅にも倒壊被害が発生。
壁量・基礎・接合部・耐力壁配置の変化
- 壁量
- 少ない → 多い
- 基礎
- 鉄筋なしの可能性 → 鉄筋ありが義務化
- 接合部
- 金物なし → 筋交い金物のみ → ホールダウン金物が加わる
- 耐力壁配置
- 東西南北の壁のバランスが悪い → バランスが良い
あなたの家の基準は?
古い基準で建てられた住宅は、耐震性が不足している可能性があります。
2000年以降の住宅であっても、耐震等級3で設計されているかどうかで地震時の被害に大きな差が生まれることが分かっています。
